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AINONEFARM
AINONEFARM
横浜市都筑区。高台にある静かな住宅街の一角に、AINONEFARM(アイノネファーム)は広がっています。畑の向こうには住宅が並び、まるで街の中にぽっかりと空いた“自然の広場”のよう。2012年11月、都心に暮らす3人の若者が、1年以上使われていなかった耕作放棄地を少しずつ手作業で耕し、約4,000㎡の畑に年間40種類もの野菜を育てています。
そこに立つのは、笑顔の似合う元気なお兄さん。太陽の下で土に向かい合い、野菜たち会話するように育てています。AINONEFARMという名前には、「愛の根っこ」「自立」「心の安心安全」など、いくつもの大切な想いが込められており、訪れる人をやさしく包み込むようなぬくもりがあります。畑は今、地域の人たちと自然、そして未来の世代をつなぐ、小さなコミュニティの拠点になっています。
この場所では、ただ野菜を育てるだけではなく、自然の営みや旬のありがたさを伝える「食育」や「農育」にも力を注いでいます。収穫体験や畑の教室、親子で参加できる農業イベントなども盛んで、畑全体がまるで“まちの習いごと教室”のような存在に。「ちょっと畑、行ってみようか」そんな気持ちで誰でもふらりと立ち寄れる、日常と自然がやさしく交差する、そんなあたたかな農場です。
作り手
杉原一成
所在
神奈川県都筑区佐江戸町
マイファームとの関係
会社マイファーム(ヒトユニット)所属
農家を始めたきっかけは?
もともと「食」に興味があって農学部に進んだんですけど、実はその頃、農業自体にはほとんど関心がなかったんです。卒業後はチョコレートの会社に就職して、コンビニ向けのパンに使うチョコレートを製造・納品していました。でもその現場で、児童労働の問題や、大量廃棄の現実に触れて、「自分は何のために働いているんだろう?」とモヤモヤが募っていきました。そんな時に、思い切って2年間オーストラリアに留学したんです。そこで出会ったのが、ブルーベリーのオーガニックファーム。作業はシンプルだけど楽しくて、農場のボスが毎日「ほほほーい!」って叫んでるような、自由で明るい雰囲気(笑)。植物の仕組みを大学で学んでいたこともあって、現場で自然の循環や植物ホルモンの働きを目の当たりにして、「農業って、こんなに面白いんだ!」と一気に引き込まれました。帰国後、農業を本格的に始めようと思ったものの、農地法や制度の壁に直面。そんな時に、大学の先輩の紹介でマイファームに出会いました。面接でお話しした西辻社長の人柄にも惹かれ、「ここなら一緒にやっていける」と思い入社を決意。マイファームで働きながら勉強し、農業者同士のつながりも深く、色々なご縁が重なり、AINONEFARMを立ち上げることになりました。
農業の魅力とは?
一番は、野菜を収穫できた瞬間のあの「やったー!」って気持ち。準備も含めて、全部が楽しいです。自然の仕組みって本当におもしろくて、たとえば土の中でどうやって栄養を吸ってるのかとか、虫との関係性とか、知れば知るほど奥が深い。自分が「面白い!」って思ってることを、誰かと共有できるのが嬉しいし、それが農育にもつながっていくんですよね。
あなたの夢を教えてください
僕の夢は、「畑に遊びに行こうぜ!」って、そんな風に気軽に人が集まる農場にすること。農業ってただ野菜を作って終わりじゃないし、体験を通していろんなことが学べるから、習いごとの一つになったらいいなって思ってます。二股のにんじんとか、形が不揃いな野菜に触れて「なんでこうなるんだろう?」って考えるだけで、毎日の生活がちょっと豊かになるんじゃないかなって。自然と人がつながる場所、そんな畑にしたいです。
作り手からのメッセージ
【はたけからみそをつくろう】ダイズの種まきから味噌づくりまで全5回の授業を開催します! 種の仕組み、発芽のメカニズム、植物の生長に必要な要素、生物多様性、微生物の働き、発酵、循環など 五感をフル活用し、生きる力、感性を育むことができます! 自分で”つくる”喜びを実感してみませんか?











