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いずみ青空農園
いずみ青空農園
山々に囲まれた静かな集落に広がる「いずみ青空農園」。見上げれば、どこまでも続く大きな空。風が吹き抜けるたびに、畑の野菜たちがゆらゆらと揺れ、鳥の声だけが響くこの場所には、都会では味わえない時間の流れがあります。
作り手の郡山さんが「毎日、空の広さに見とれてしまうんですよ」と語るように、この農園は空の美しさと静けさが魅力。そんな環境のなか、畑をきれいに保つために、日々生い茂る草と格闘しながらも、地道に手を動かし、畑と向き合い続けています。
もともとは会社勤めをしていた郡山さん。長年続けた家庭菜園の楽しさが、次第に「本格的に野菜を育ててみたい」という気持ちにつながり、農業の道へと進みました。草を刈り、土を整え、種をまき、収穫する。すべての作業に手をかけるからこそ、毎日の畑には確かな実りとよろこびがあります。
自然と向き合いながら作業を続ける郡山さんの姿からは、畑で過ごす時間を大切にし、日々の小さな変化や成長を楽しんでいる様子が伝わってきます。
作り手
郡山仁志
所在
鹿児島県出水市
マイファームとの関係
AIC関東2021年卒(横浜農場)石原ゼミ。その後一年間、千葉先生のNORAの月一回のセミナーに参加。
主な生産品目
ジャガイモ、ジャンボインゲン、そら豆、ブロッコリー、ゴーヤ
農家を始めたきっかけは?
もともとは関西出身で、会社員として働きながら、神奈川県で20年ほど家庭菜園を続けていました。最初はほんの一区画だったのが、どんどん広がって、最終的には30坪ほどに。週末ごとに畑に通い、野菜が育っていく過程を見るのが本当に楽しくて。もっと深く関わりたい、本気でやってみたいと思うようになって。子どもと一緒に通っていた頃から、いつかは自分で農的な暮らしをしたいと考えるようになりました。
そんな中で、ちょうど人生の節目が重なって、「今しかない」と思い切って農業の世界へ飛び込む決断をしました。AICで学びながら、徐々に就農への準備を進めていったんです。
鹿児島県は父の出身地で、昔の家が残っていたこともあり、研修中にいろいろ調べる中で「鹿児島は農業県で、研修施設やJAのサポート体制も整っている」とわかって。これならやれるかもしれないと感じ、思い切ってIターンを決めました。
農業の魅力とは?
一番大きいのは、自分の判断で動けることですね。会社員時代は、やることも評価も、すべてが組織の中で決められていたけれど、今はすべてが自分の責任で、自分の自由。やる・やらないも自分次第だし、その結果がダイレクトに畑に表れる。そこに、仕事の本来の姿というか、すごくシンプルなやりがいを感じます。
あと、自然が相手なので、上手くいかないことも多いのですが、自然界で起こることには必ず理由があり、その理由を探っていく過程も面白いです。自分の仕事を振り返る材料にもなるし、そういう世界が自分には合ってると感じています。
そして、畑に行くたびに空の広さに癒されたり、人がいない静けさを心地よく思えたり──そんな日々の積み重ねが、今の自分にとってはとても大切な時間になっています。
あなたの夢を教えてください
まだ始めて2年目なので、まずは自分の農業スタイルを確立することが目標です。農業って、季節によって作業量の差が大きいんですよ。種まきや収穫の時期はとにかく忙しいけど、そうじゃない時期は比較的余裕がある。その波をどううまく乗りこなしていくか、試行錯誤の連続です。
一人でやっている分、スケジュール管理もすごく重要で、自分にとってベストなやり方を模索しながら日々動いています。
せっかくやるなら、きちんと生活できるくらいには収量も品質も上げたいし、プロとして胸を張れる農業を続けていきたいと思っています。
将来的には、同じようにセカンドキャリアで農業を始めたい人の背中を押せるような、無理なく始められるモデルをつくっていきたい。元同僚にも勧めたりしているんですが、そういう人たちと一緒に、農業の話を気軽にできるような場ができたらいいな、というのが今の夢ですね。
作り手からのメッセージ
夏場は暑さや草との戦いになりますし、収穫時は体力勝負になる時もありますが、色々と工夫できる事もありますし、まだまだ勉強中です。でもその中で、野菜がぐんぐん育っていく姿を見たり、収穫して出荷する時は、やっぱり嬉しいですね。
これから農業を始めようと思っている方、特にセカンドキャリアでの就農を考えている方には、ぜひ一度畑に遊びに来てもらいたいです。自然の中で体を動かすと、頭も気持ちもすごくスッキリしますよ。 農業を始めた仲間同士で情報交換をしたり、畑を見に行き合ったりするのもとても楽しくて、そういうつながりがもっと増えたらいいなと思っています。野菜作りに少しでも興味があれば、気軽に声をかけてくださいね。







