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なりひら農業(namie)
なりひら農業(namie)
福島県浪江町。かつて原発事故の被害を受けたこの地で、青々とした畑が風に揺れています。そこで手を動かすのは、67歳にして農業の道に進んだ田仲さん。ライ麦や小豆、柘榴が成長していく姿を、まるで生き物と対話するように見つめます。農業は挑戦の連続。それでも、この地で作物を育てる理由は、次世代にこの畑と命の循環をつなぎたいという強い想いからです。
作り手
田仲正江
所在
福島県福島県双葉郡浪江町
マイファームとの関係
AIC関東校20期卒業
主な生産品目
ライ麦、小豆、柘榴、(将来的にアボカド)
農家を始めたきっかけは?
両親は専業農家の出身で、小さい頃から田植えや稲刈りを手伝っていました。足踏み水路で水を流したり、はざ掛けをしたり…そういう原体験が大きかったですね。一度は証券会社や非常勤講師として働きましたが、就職中にバブルを経験し、減反政策があり、食糧自給率が落ちていき、国力が下がる、、、という政治政策をみていて、なんだかおかしさを感じていました。
原発事故が起き、日本の農業の未来を考えた時、『自分が動かないと』と農業の道に進むことを決意しました。
農業の魅力とは?
挑戦できること、そして作物が成長する姿に関われることが何よりの喜びです。風に揺れるライ麦が頭を垂れる様子は、まるで語りかけてくるようで、一つひとつの野菜が独立して生きているように感じます。周りの方からの『頑張ってるね』という励ましの言葉も、日々の原動力になっています。
あなたの夢を教えてください
浪江町で有機JAS認証を取得することが目標です。まだこの地域で有機JASを持っている農家はなく、挑戦者も少ない。でもだからこそ、やる意味があると思っています。
作り手からのメッセージ
原発事故がなければ、浪江を選んでいなかったかもしれません。でも今、この土地と向き合いながら農業をしています。農業の復興を役所がしてくれるわけではありません。やるのは人です。人が動いて町があり、市があり、国がある。浪江町に帰還するひと、農業に回帰するひとが少ないことに危機感を抱き、骨をうずめるかは分からないが、5年、10年は頑張って、実りある大地を次世代に繫げたいです。




