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ソニックファーム
ソニックファーム
広島県の東側にある志和町は、のんびりとした田園風景が広がる、どこか懐かしい空気の流れる場所です。春には山桜が咲き、夏には草のにおいと虫の声が満ち、季節ごとにちがった表情を見せてくれます。広島市内からも車で40分ほどと、ちょっとお出かけするにはちょうどいい距離。
そんな志和町で「ソニックファーム」はのびのびと畑を広げています。ちょっとユニークな農園の名前は、作り手が若い頃からずっと好きだったアメリカのバンド・ソニックユースにちなんだもの。自由で型にはまらないその音楽のように、農業にも自分らしいスタイルで取り組みたいという想いが込められています。
ソニックファームは、“遊びに行ける畑”をテーマにした体験型自然循環菜園。定額制で野菜取り放題の収穫菜園サービスや、季節の農イベントの開催、園内でしか手に入らないプレミアムな野菜販売など、来て・ふれて・味わえる、体験型のメニューが充実しています。
野菜づくりには、自然の力を生かす工夫がたくさん。農薬や化学肥料は使わず、土の中の微生物たちが元気に働くような環境を整えています。そんな畑で育った野菜は、ひと口食べると驚くほど味が濃くて、力強い。
大人も子どもも土にふれて、笑って、味わって…気づけば心がほぐれている。そんな時間を過ごせる場所です。
作り手
中村伸一郎
所在
広島県東広島市志和町
マイファームとの関係
AIC期卒業(横浜→京都農場)2020年10月横浜農場入学、2021年京都農場卒業
主な生産品目
多品種少量の野菜、米
農家を始めたきっかけは?
きっかけは、コロナでした。東京でソフトウェア会社の仕事をしていて、それなりに忙しく充実していたんですが、外に出られない日々が続く中で、「このままでいいのかな」ってふと立ち止まってしまって。
もっと豊かに生きたい、自分の手で何かを育ててみたい、そんな想いが強くなって、昔学んでいた農業のことを思い出したんです。マイファームの学校に通いながら、いろんな農家さんの畑を見て回って…その中で、ただ野菜を育てるだけじゃなく、人が集まって笑っている畑に出会って、「こんな場所を自分もつくりたい」って本気で思うようになりました。
「おなかを満たし、心を満たす農」、そして「懐かしい農を体験できる場所」をつくりたい——そんなイメージがだんだんと形になっていって、いまの体験型農業をはじめるきっかけになりました。人生の転機でしたね。
農業の魅力とは?
いちばんは、やっぱり人との出会いですね。
うちは体験型の農業をやっているので、季節ごとの収穫体験や田植え、芋ほりなど、畑に来てくれる人がとにかく多いんです。子どもたちが土まみれになって笑っていたり、「こんなに甘いニンジン、はじめて食べた!」なんて声を聞けたりするのが本当にうれしくて。
農業って、黙々と野菜を育てて出荷するイメージがあるけど、それだけじゃなくて、体験やふれあい、学びの場にもなるんですよね。畑を通して、いろんな人の暮らしや気持ちにふれることができる。
そんなふうに、作るだけじゃない“広がりのある農業”ができるのが、何より楽しいです。
あなたの夢を教えてください
ひとつは、都会のど真ん中――たとえば品川や梅田のような場所に、大きな農園を出現させ、会社帰りにちょっと栽培を楽しめるような未来。「野菜を育ててみたい」と思った人が、最初の一歩を踏み出せるような場をつくりたい。農業の入り口として、そんな体験を支える存在になれたら嬉しいです。
もうひとつは、いつか“完全自給の卵かけごはん”を食べること。自分で育てたお米、平飼いの卵、手づくりの醤油と漬物――ぜんぶ自分の手で育てて、つくって、それを一膳にのせて「いただきます」と食べる。暮らしの原点にあるような、その一杯をいつか実現したいと思っています。
どちらの軸にも共通しているのは、「お腹を満たし、心を満たす農業」でありたいという気持ちです。懐かしくてあたたかい、でもちょっと新しい。そんな“懐かしい未来”を、農を通して少しずつ形にしていきたいと思っています。
作り手からのメッセージ
楽しいことをたくさん準備しています。
一緒に“畑で遊ぼう”!
